【POD】じんとくる芥川龍之介
芥川龍之介, しみじみ朗読文庫
響林社
この本について
※ 本書は「ワイド本」で、A5サイズ(単行本サイズ)で、「BIZ UDフォント」の明朝体で12ポイント程度と通常より大きめの文字で、読みやすくなっています。 他方、「大活字本」シリーズでも発刊していますが、それはB5サイズ(週刊誌サイズ)の、MS明朝体で20-22ポイント程度のより大きな文字になっています。 【解説】 芥川龍之介は、「羅生門」「鼻」 あるいは「杜子春」などのように、日本や中国の古典を題材とした作品群が広く知られています。その他には、キリシタン物、明治開化物なども多数作品があります。 しかし、それらの著名な作品以外でも、心を揺さぶる小品群があります。ここでは13篇を選んで収録しました 。 <収録作品> ・大川 (隅田川)の川端に生まれた芥川自身が、大川の流れ、匂い、景観に対する限りない懐旧の念を吐露する「大川の水」。 ・母親が実の親ではなく、自分は捨児だったことを知った男が、以後は母親以上の存在になったと述懐する「捨児」。 ・軽便鉄道敷設工事用のトロッコに乗りたくて、土工に頼んで一緒に遠くまでいったものの、土工たちはそのまま泊まると聞いて急に募る心細さを懐旧的に描く「卜ロッコ」。 ・息子が亡くなった後、教授にその報告に来た母親は微笑を浮かべて淡々と回想していたが ,ふとテーブルの下をみると、手巾 (ハンケチ )を握りしめてぶるぶると震えながら必死に悲しみに耐えていることがわかった様子を描く「手巾」。 ・御維新から十年以上経ち、本陣にある旧家の皇女和宮も訪れたことがあるほどの優美な庭が荒廃していく様と、その旧家一族の様子を描く「庭」。 ・明治開化の時代、苦境中で遂に雛人形まで手放さなければならなくなった一家の複雑な気持ちが交錯し、心の中では誰よりもそれを惜しんだ父の姿が印象的な「雛」。 ・蒸気機関車に発車間際に乗り込んできた身なりの粗末な少女が、隧道《トンネル》直前に黒煙が入ってくるのにも構わず窓を開けて身を乗り出した事情を描く「密柑」。 ・修学旅行に列車で出かける中学生の息子を父親が駅にそっと見に来るも、その息子は中学卒業から間もなく亡くなってしまうという「父」。 ・まだ幼い子供が高熱を発して、疫痢ではないかとの不安に慄《おののき》きながら夫婦、祖母とで懸命に看病する「子供の病気」。 ・倅《せがれ》が死んでしまい働き者である嫁と姑の間の確執の後、嫁は腸チブスで突然死んでしまい、生活を支えてくれた嫁を偲んで泣きくれる姑の姿を描く「一塊《ひとくれ》の土」。 ・幕末の上野戦争での官軍の彰義隊攻?の直前に、奉公先の家に残した仔猫を救いたいがために貞操を犠牲にしようとする「お富の貞操」。 ・重病の倅の回復を祈って西洋の薬をもらいに教会に来た女が、夫の武士を誇りに持っている中で、観世音菩薩への信仰を否定され、磔の際のキリストの「見下げ果てた」言葉を聞いて、憎悪と軽蔑の言菓を投げつけ去っていく「おしの」。 ・西洋の活動写真上の俳優に熱烈な恋をした芸妓を描くほろ苦い物語の「片恋」。 どれをとっても、それぞれに趣がある小品群です。
- 出版日
- 2025年02月20日頃
- ISBN
- 9784865743821
- 言語
- 日本語